MGSVはどれくらいの利益をコナミにもたらしたか
MGSVが発売されてから間もなく4ヶ月近くになろうとしている。
発売数ヶ月前から漏れ伝わってきた小島氏とコナミとの確執や、発売後判明したストーリー上の問題点などから、MGSVと言えば論争と炎上という印象が個人的に強い。
その話題のひとつに、MGSVが初週300万本を出荷し、大きな利益を生み出した(「にもかかわらず小島氏を放逐したコナミはクソ」という流れまででテンプレ)件がある。
MGSVの開発費が大きく膨れあがっていたであろうことは京雀の間での半ば常識となっていたように思うが、2chのゲハ板などでは、300万本も売れたんだから開発費なんて即回収できただろう、それどころか大きな黒字を記録しているに違いない(「にもかかわらず小島氏を放逐したコナミはクソ」という流れまででテンプレ)という書き込みも見られた。
それらの中には、小売価格とコナミの売上との区別がついていない発言と思しきもの少なくなく、その点を突いて、まだ十分な利益は出てないんじゃ無いか、というレスが着けられることもあった。
個人的にもその点は同じように思っていたところ、先日アップデートされた出荷本数が報道されたことを知り、現時点でどの位の利益が出ているのか計算してみたくなった。
計算の根拠についてはネットで入手できるもののみとし、不明な点は独断で決めた部分もある。
よって結果の信ぴょう性については、「荒唐無稽ではない」レベルとご認識頂ければと思う。
各数値は以下の通りとした。
1 希望小売価格
国内版:9072円
海外版:7200円(1ドル120円換算)
根拠:いずれもアマゾンでのPS4版の価格。海外のPS3版はこれより$10安いが、プラットフォーム毎の出荷本数は不明なので、一律PS4版として計算。
2 コナミの売上
小売価格の42.5%
PS1時代の数値だが、ソフトメーカー取り分、39.5%、製造費・ロイヤリティ、15.5%、SCEマージン20%とある。
一方、
http://gehasoku.com/archives/51458123.html
の書き込みでは、今はSCEロイヤリティが25%とあり、かつコナミは独自流通なので現在はSCEマージンはゼロ。
両者を勘案して、現在のコナミ取り分は希望小売価格の50%、製造費・ロイヤリティ込みの卸値が75%……と最初は想定したが、アマゾンでの実売価格をみると参考価格の67%。
これだと小売店は赤字になってしまうので、SCEとコナミの取り分をそれぞれ7.5%ずつ差し引き、卸値が60%になるよう調整。結果としてコナミの取り分は42.5%とした。
3 出荷本数
国内:100万本
海外:400万本
根拠:http://www.inside-games.jp/article/2015/10/31/92577.html
この記事中、出荷本数が500万となった旨述べられている。
国内外での内訳は不明だが、過去メタルギアシリーズは国内でのミリオンを達成したことが無かったと記憶している(してたらごめんなさい)。そこで今回はこの悲願を達成したと仮定して、国内100万、残りを海外とした。
4 開発費
110億円
根拠:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO89986400R30C15A7000000/
本記事中「100億円を超える開発費」とある。
具体的にどの位かは不明だが、この表現で150~160億近辺を指すとは思われないので、目分量で10%増しにして110億と仮定。
マーケティング費用が含まれるかも不明。
http://www.gamespark.jp/article/2013/09/10/43345.html
これを見ると、海外では含めた数字を取り扱うことが多いようなので、含めていると仮定。
また、MGO開発費が含まれているかも不明。
http://www.dualshockers.com/2015/11/04/konami-confirms-closure-of-kojima-productions-los-angeles-studio/
この記事を(機械翻訳で)読む限り、最近のLAスタジオはMGO開発専門スタジオとして機能していたようなので、その維持費用はMGO(MGSV)の開発費として計上されるのがスジとは思う。よって、含めていると仮定。
以上要素をエクセルに放り込み、出てきた結果が以下。
総売上:161億円
開発費:110億円
収支(粗利):51億円
10月末の時点で、50億を超える粗利が発生していることになる。
(ちなみに発売初週の時点では、10億円のマイナス)
開発費の回収は無事にすみ、相応の利益をコナミは手にしている可能性は十分、と考えてもよいようだ。